久しぶりのギター学更新です。
今回は、演奏会やレッスンの時などに聞かれる質問のうち、以下の2点について書いてみようかと思います。
・トレモロ
・速弾き
この2点を苦手とされる方は、実はどちらも同じ原因によって苦手になってしまっている可能性があります。
トレモロ奏法において、よく問題になるのはこの点だと思います。
「トレモロの粒が揃わない」
「音を外してしまう」
上記のようなお悩みをお持ちの方には、私はこのような解決法をご提案させて頂いております。
「弾いていない指が弦から離れすぎないように」
「指の肉と爪の間で弦をキャッチするイメージ」
これを身につけるために、
「この2つの感覚を指に覚えさせるために、テンポを落として弦を弾く」
という練習がとても重要です。
そしてこのとき、指が弦に乗る時間に注意してください。
少なくとも0.5秒間は指が弦に触れていることを意識してください。
とにかく、指が弦にどのように当たっているかを考えることが重要です。
解決法の詳細について説明していきます。
まずひとつ目、
「弾いていない指が弦から離れすぎないように」
というのは、例えばトレモロ【 p→a→m→i 】の i を弾いている時に a や m の指が弦から離れすぎていませんか?ということです。
これがその悪い例です。

指が必要以上に弦から離れてしまうと、以下のデメリットがあります。
・次にその指が弦をキャッチしにいくのに時間がかかる
・弦への命中率を下げる
では、「指が離れすぎないとはどれくらい?」という疑問が出てくるかと思いますので、私のトレモロを弾いている時の手元を動画に録ってみました。
通常テンポのあとにスロー再生が流れます。
私はこれ以上離れると外しやすくなるので、常にここをキープするように意識しています。
そしてその感覚を身につけるために、とにかくゆっくり弾く練習を重ねました。
そしてふたつ目の、
「指の肉と爪の間でキャッチするイメージ」
というのは、爪の先で弾こうとすると外しやすくなり、指の肉で弾くと音色が悪くなります。
そこで私は、指の肉と爪の間で弦をキャッチしにいくイメージを掴むと命中率が上がる、という結論に至りました。
これらの解決法を身につけるために、私はこの練習法を最もオススメしています。
「指の動きをしっかり意識してコントロールできるテンポまで落として、この2つの感覚を指に覚えさせる」
結局は感覚かい!!とツッコミをもらいそうですが、i を使っているときに a や m がどこにあるか、意識できている人は意外と少ないのではないでしょうか。
また、テンポが速くなると自分の指のどの部分が弦に当たっているか、0.1ミリ単位でコントロールすることは難しいのではないでしょうか。
速く弾くと均等にならないトレモロも、ゆっくりにするとコントロールできるテンポがあります。
そのテンポまで下げ、指の感覚をしっかり意識します。
意識できる状態をキープし、そこから徐々にテンポを上げていき、コントロールできるテンポとできないテンポの境界線を少しずつ上げていく、ここは本当に辛抱強く訓練が必要です。
そしてここまで述べたことは、速弾きにも通ずる内容です。
こちらはヴィラロボスのエチュード7番。
弦が移動する im のスケールですが、音色と命中率が変わらないようにしています。
これを実現するためのテクニックがもうひとつあったりするのですが、それは次の機会で説明させて頂きます。
最後にサグレラスのはちすずめです。
はちすずめでは、様々な指のパターンが使われています。
im の速弾きから pmia のパッセージへ、そしてpmia から im へ戻ったり。
このときも必ず、待機している指と弦との距離がほぼ変わらないように弾いています。
とにかく使っていない指を弦から遠ざけない、指先に意識を向けることを心がけています。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
とりとめのない文章となってしまいましたが、ぜひともこの練習法、お試しください!!
次回のギター学をお楽しみに!