以前のブログで
”努力したからといって、誰しもがプロになれるわけではなく、
プロギタリストになるために、絶対に必要な能力というものはいくつもある”
ということを書きました。
ではプロのギタリストになるためにはどうすればいいのか。
将来ギタリストを目指す方にとって、最も疑問に思うところですよね。
そもそも何をもって「プロ」と呼ぶのか、定義の仕方が難しいところではありますが、
恐らく皆さんが思い描くプロギタリストというのは、
音楽活動で生計を立てていく、ということではないでしょうか。
そうなる為には、何をすべきなのか。
プロのギタリストの方々に、「どうやってプロになったのですか?」と
質問できる機会もなかなか少ないかと思いますので、
私がプロになるまでに何をして来たのか、ということを記事にしてみました。
プロギタリストを目指す方の参考になれば幸いです。
プロになるまでの道のり
私は、父親がギタリストということもあり、
4歳からギターを始め、小学校の頃からコンクールなどには何度も出場していました。
しかし、プロになるという意識はあまりなく、
小学校の頃はピアノが楽しくて、「ピアニストになろうかなぁ」と考えていたり、
高校生の頃には「エレキギターでプロになろう」と考えたりしていました。
しかし何故クラシックギタリストを選んだのかというと、
ピアノやエレキギターに関して、自分には才能が欠けていることを感じたからです。
具体的に言うと、
ピアノやエレキギターも、クラシックギターと同じように練習を日々していましたが、
(むしろそちらの方が一生懸命練習していたかも・・・)
上達のスピードも違いましたし、何より、
どれだけ頑張っても結果が全く出せませんでした。
それに比べて、クラシックギターは、
頑張れば頑張るほど結果が付いてきました。
プロフェッショナルになるために必要なのは「才能」ではなく「努力」だ、と言われますが、
やはり感覚的に技術を掴む能力であったり、効率の良い練習法を見つけられる能力など、
そういった能力を上手く活かせるものとそうでないところがあるとのだと思います。
私にとってはそれがピアノやエレキギターではなく、クラシックギターだったのです。
そして私は日本の音大に入り、
それから本格的にプロのクラシックギタリストを目指すことに決め、
プロを目指すには何をしなければならないのか、日々考えました。
その頃はまだ、YouTuberという言葉もない頃でしたが、
まずはYoutubeで世界中の人に自分の演奏を聴いてもらうのはどうだろうかと考え、
日々色んな演奏動画をアップし続けました。
そしてしばらくした頃、レコード会社のプロデューサーがたまたまYoutubeで私を発見してくださり、
レコーディング、プロデビューの話へと繋がりました。
偶然、「とにかく演奏を誰かに聴いて欲しい」というギタリストと、
「新しいギタリストはいないか?」というプロデューサーが、
Youtubeというツールにより繋がったのです。
そういった出会いはアーティストにとって、本当に大事だと思います。
今でも、人との出会いにより新たなビシネスが出来たり、
いろんな方からお声をかけていただけるようになりました。
そうした出会いを作っていくために、プロを目指す人にとっては、
ギターの技術以外に、「発信していく力」というのが本当に重要だと思います。
これは商売の基本ですが、商品(自分の演奏)を知ってもらわなければ、
買ってくれる人は永遠に現れません。
例えば、どんな内容なのか、どんな人が書いたのか分からない本を
一冊3000円で買いませんか?といきなり言われても、買う人はいないですよね。
演奏家も同じで、どんな演奏をして、どんな活動をしているか分からない人の
チケットを買ってくれる人は絶対にいません。
そしてここからが重要なのですが、
プロになったらもう安心、というわけにはいきません。
活動をしながら、どんどん新しいことを考え、常に進化していかなければなりません。
何故なら、
ずっと同じ活動では飽きられてしまうからです。
プロになってからも、
今は何が流行っていて、そして自分には何が求められているのか、
そして自分の武器は何なのか、ずっと考えていかなければなりません。
そして実際に、有名なアーティストほど、
次々に新しいことにチャレンジし、日々様々な活動をしています。
そして音楽家として成功するためには、
音楽と同じくらい、ビシネスの勉強もしなければならないと考えています。
世の中やギター界の動きに常に目を向け、今自分が何をすべきで、何ができるのか。
音楽の才能と同じくらい、必要である「ビジネスの才能」を、
今から磨いていけば、きっと未来は変わって来ます。
この記事をきっかけに、プロのクラシックギタリストを目指したいと思ってくれる人がいらっしゃれば、これ以上幸せなことはありません。
一緒にクラシックギターを楽しみましょう!