以前、「音大に入るためには何を勉強しておけばいいですか?」と、
ギタリストを目指すお子さんをお持ちの親御さんからご質問を頂いたことがあります。
確かに、将来のために今から何を勉強しておかなければいけないのか、とても気になりますよね。
そこで今回は、音大に入るために共通して必要とされることを書いていきたいと思います。
私は日本の音大に入りましたが、
ここから書くことは国内外問わず、どこの音大でも共通して必要となるものになります。
1.クラシックギター
もちろん、最も重要なのは実技。
試験では必ずクラシックギターを実際に試験官の先生方の前で弾くことになります。
それは入学してからも、在学中はずっと実技試験があります。
2.ピアノ
そして、実技試験があるのはクラシックギターだけではありません。
ピアノも演奏しなければなりません。
試験だけではなく、入学してからもピアノは必修科目になり、
私の場合は専攻がクラシックギター、副科としてピアノも履修しなければいけませんでした。
これはどの楽器の方も同じで、音大に入る以上、必ずピアノは必要とされています。
どのくらいピアノを弾けなければいけないかと言うと、
ここは学校によって違いはあるかもしれませんが、「ソナチネアルバム」や「ソナタアルバム」が弾ける程度の力は必要となってきます。
何故ギターを弾くのに、ピアノも弾けないといけないのか、と思うかもしれませんが、
やはりクラシックギターを弾く上で、他の楽器の特性を知ることはとても重要なことだと思います。
また楽譜を読む力も上がるので、私の経験上、ピアノは弾けて本当に良かったと感じています。
3.楽典
楽典の能力は筆記試験で問われます。
音楽の理論をしっかり理解できているか、これも音大に入るためにはもちろん、楽器を弾く上で持っていた方が良い能力になります。
4.ソルフェージュ
楽譜を読む力が問われます。
試験の内容としては、新曲視唱と、聴音などがあります。
新曲視唱
その場で配布された楽譜を、初見で正しく歌うことができるか。
聴音
その場で演奏される(ピアノ)音を聴き取り、正しく譜面に書き取ることができるか。
楽器がなるべく小さい頃から習っていた方が習得のスピードが速くなるのと同じように、
これら楽典やソルフェージュも、小さい頃に始めていた方が後々楽になります。
私はクラシックギターは4歳から始め、ピアノ・楽典・ソルフェージュを6歳の頃から教わっていました。
そのため、試験や在学中の授業でも、音楽の基礎能力の点で苦労することはありませんでした。
あと一般教養科目については、それぞれの学校によって異なるので何とも言えませんが、
一般科目の勉強もできるに越したことはありません。
これらに加えて、海外の音大に入るためには語学も必要になります。
もちろん入試試験も現地の言葉で行われるので、そこが皆さん最も苦労されるポイントだと思います。
ここに書いてみて改めて、音楽家になるためにはとにかく訓練の積み重ねが大事なのだと感じました。
しかしこれはどの職業でも同じことで、音楽家が特に難しいというわけではありません。
しっかり意欲を持って取り組めば、必ず出来るようになります。
そして私が思うには、
音大に進学するにあたり、最も大変なのはお子さん本人ではなく、親御さんだと言うことです。
日本の音大であれば、学費は年間200万円前後、
海外は学費はもう少し安い学校が多いようですが(国によって異なります)、その分の生活費や旅費がかかります。
音大は、本人がしっかりとした意志を持って学びに行けば、学費以上のものを学ぶことができます。
しかし、目的や目標なしに音大に入ってしまうのは、あまりにも勿体無ないことだと思います。
お子さん自身が、何故音大に入り、何を学びたいのか、しっかり考えた上で取り組めば、得られるものはとても大きくなります。
まずは具体的な目標を持つことが大切です。
目標を持って、必要な勉強を積み重ねていけば、音大には必ず入ることができます。
そのためにすべきことを、今から見つけていきましょう!